タイムカードの扱い方でブラック企業診断
タイムカードは、多くの企業で使用されている勤怠管理システムです。出退勤や休憩の際に打刻すれば、分単位で労働時間を記録しておくことができます。近年では、紙のカードを打刻させるタイプのものに代わり、ICカードやクラウド型の勤怠管理システム、指紋認証システムなども活用されるようになってきていますが、今もなお従来のタイムカードを導入している企業はたくさんあります。いずれのツールを使うにしても、それらは労働時間を証明する唯一の手段であり、その記録に基づいて給与や手当が払われることになります。
SEは残業することも多い職種なので、正確な勤怠管理下でしっかりと残業代を支払ってもらいたいと思うところですが、残念ながらそれができていないいわゆる「ブラック企業」が存在しているのも事実です。タイムカードは、労働時間をきっちりと管理できるメリットがある反面、サービス残業という状況を簡単に作れてしまうデメリットがあります。もし、定時になったら一旦タイムカードを打刻して、それからまた残業するよう上司に命じられているようであれば要注意です。その状況を放置してしまうと、実際はかなり残業しているにもかかわらず、タイムカードの記録上はそうなっていないということから残業していたとはみなされず、残業代は搾取され続けることになってしまいます。上司が当然のようにサービス残業を要求する雰囲気が職場にあると、おかしいと思いつつもそれに従うしかない空気に流されてしまうこともありますが、個人的に本当の勤怠記録を残しておくなどして後に残業代を請求できるよう準備しておくようにしましょう。では、具体的にどう対処していけばいいでしょうか。
タイムカード打刻後の残業や、退社後に自宅で仕事するよう指示されるようであれば、それは全て時間外労働に該当します。また、午後10時を過ぎると深夜手当が発生します。タイムカードの改ざんによってそれらが全てなかったことにされてしまうようであれば、できるだけその証拠を残すようにしましょう。本当の出退勤時刻を記録し、サービス残業を指示するようなメールがあれば保存し、口頭で指示されたことは日時と共にメモを残します。タイムカードやレコーダーの画像を撮っておくなど、思いつく限りの証拠を残しておくようにしましょう。なお、自発的に仕事を自宅に持ち帰った場合には残業扱いとはなりませんが、明確な指示はなくてもそうするよう圧力をかけられたなど、結果的には指示されたと同然の状況があれば、それもしっかりと記録しておきましょう。