自分がブラック企業で働いているという自覚もないまま、過酷な労働環境で頑張り続けてしまうのは危険なことです。SEの仕事は忙しいからと諦めてしまわずに、その企業がブラックかどうかを自己診断し、危ないと思ったら転職に踏み切ることも大切です。また、転職は可能性を広げるチャンスでもあるので、同じSEとして働ける職種にこだわらず、選択肢をもっと広い範囲に広げて考えてみると、より自分に合う仕事が見つかるかもしれません。
転職は、環境を大きく変えるチャンスの時でもあります。ブラック企業と呼べるような劣悪な労働環境でSEとして働いてきて、結果として思ったようにスキルアップができなかったようであれば、SEという職種に固執しなくても、新たな職種へ転職するという選択肢があります。中途採用に積極的な企業の中には、元SEを高待遇で受け入れるところも多く、SEとしての仕事を探すよりも転職活動がスムーズに進む可能性もあるので、転職を検討する際には他の職種への道も合わせて考えてみるといいかもしれません。
元SEの転職先として多いのが、IT講師の仕事です。必要になる知識はSEもIT講師も同じですが、スキルはそれぞれ全く異なる部分もあります。IT講師は人と直接関わることが仕事の基本にあるので、コミュニケーション力は絶対的に必要です。また、教えたいことを相手に理解させるためには相手をよく観察する力も必要ですし、思ったように成長しない生徒にも辛抱強く対応していくなど、高いヒューマンスキルも重要になります。
企業の経営改善のアドバイザーとして重要な役割を担っているコンサルタントの仕事は、大きなプロジェクトの経験や高く評価されるような実績を残した経験など、社会人経験が大いに役立つ職種です。SEからコンサルタントになるためには、身につけなければならない知識や考え方がたくさんあるので、やりたいと思い立ってすぐになれるものではありませんが、企業の業績の行方を左右する責任の重さ以上に大きなやりがいを感じられる仕事です。
SEをやめて別の職種にするとしても、せっかく転職するなら前職の経験を生かしたいと思うのではないでしょうか。人とのコミュニケーションが得意な人であれば、営業職が向いているかもしれません。それまでと全く関係ない業界の営業職になることもできますが、SEとしての知識と経験を生かすなら、同じIT業界内の企業の営業職がおすすめです。エンジニアの仕事と営業の仕事は全く性質が違いますが、その両方の要素を持った営業職はとても重宝される存在になるでしょう。