人と接することが好きなら
SEの仕事の流れの中には、プロジェクトに関するミーティングや相談など、人とのコミュニケーションをとらなければならない場面はありますが、業務に関する必要事項を把握することができれば、あとは自分の作業に集中することになります。ブラック企業で働くSEは、山のような作業に追われながら長時間残業の日々を送っている人も多いので、もうエンジニアという職種に懲りてしまっているかもしれません。仕事がきついからブラックとすぐに診断してしまうのは良くありませんが、違法な労働を強いている状況が確実にあれば、そのような企業でずっと働き続ける理由などないでしょう。
SEの仕事を経験する中で、人とのコミュニケーションを好む傾向が自分にあることに気づいたならば、営業職にチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。
営業職と聞くとまず思い浮かべるのがコミュニケーション力です。この職種の向き不向きははっきりしており、人とのコミュニケーションが極めて苦手という人にとっての営業職は苦痛でしかない仕事かもしれませんが、人と話すことが好きな人にとってはやりがいを感じられることがたくさんあります。営業にも様々なタイプがあり、商品を販売するために個人の顧客と接する営業職もあれば、企業を渡り歩く営業職もあります。営業は、モノやサービスを売り込むことよりも先に信頼を得ることが重要で、1度営業に出向けばそれで仕事が完了するということではなく、根気よく営業を繰り返しながら顧客の信頼を獲得していく必要があります。
例えば、店で買い物をする際に、店員の接客態度が良いと気持ちよく買い物をすることができますし、次もまたこの店に来ようという気持ちになることができます。営業もそれと同じで、人に良い印象を与える態度が仕事の成功につながります。
SEから営業職に転身するのであれば、システム開発関連をはじめ、その他IT関連会社の営業職が有利です。もともとSEとして働いていた企業が優良企業なら、営業職に配置転換を願い出るという方法もありますが、ブラック企業内で配置が変わっても待遇の変化は期待できないので、やはり転職に踏み切る必要があるでしょう。元SEの営業職はITに関する専門知識と経験があるので、同じ業界の営業職として働く場合、顧客が何を望んでいるのかを的確に把握し、その場で具体的な要望を引き出すことができるでしょう。エンジニアレベルの専門知識を持たない営業だと、営業先にエンジニアを同行させることもありますが、1人で営業とエンジニアの2役をこなせると、顧客と企業双方に喜ばれる存在になることができるでしょう。